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起き抜けのマッサージ

朝学校に行くために起きるのは、なかなか出来なかった。毎日早く寝ているつもりだったのに、起きる時はとても眠い。眠いエキスが詰まった泥の中に引きずり込まれるかのように、瞼は重く体も重たい。母がいつも私をゆすり起こしたが、それでも脳は覚醒しづらく体はぐったりとしていた。そのため毎日ギリギリになって、飛び起きるという生活を送っていた。ある時母は私の体を揺り起こし、同時に肩をマッサージし始めた。そして背中も優しくマッサージしてくれた。だんだんと血流が良くなり、起きられるようになったので、その日はいつもよりも早めに起きることができ、学校にも遅刻せずに行けた。マッサージが気持ちが良すぎて、また眠りに落ちそうになった時もあったが、母は変わらず体をケアしてくれ、私はそれに導かれるようにして起床した。自分自身ではなかなかできなかった起床という行為だったが、母の助けをかりてなんとか起きられるようになった。大人になってからは自分自身で起きなければならないが、今でもあの時のマッサージを思い出すと、優しい気持ちになれる。

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